高自然放射線地域住民の健康調査

         放射線はどんなに微量でも人体に悪影響を与えるのか?
 低線量放射線の生体への影響について、世界的に大きな影響力をもつ国際放射線防護委員会(ICRP)は、被ばく線量と生体への影響としての発がんとの間には、しきい値はなく直線関係が成立するとの考えをとっている(LNT仮説)。しかしながら、近年、これを見直すべきであるとの考えも示されており、低線量放射線の健康影響を正確に評価することが求められている。
 放射線のリスク評価については、従来、原爆被曝の例がその基礎にされていたが、それが一回の急性照射であることから低線量長期被ばくのリスクについては、日常的に放射線被ばくを受けている人々に関する疫学調査が重視されてるようになってきた。
 (公財)体質研究会では、1991 年以来、中国・陽江をはじめ、世界の高自然放射線地域に何世代にもわたって住み続けている人々を対象に、被ばく線量、染色体異常、および死因に関する疫学調査を行っている。
 ここでは、我々が行っている高自然放射線地域住民の健康調査の結果を紹介する。
         
1. はじめに
2. 世界の高自然放射線地域
   2.1 中国・陽江の高自然放射線地域
   2.2 インド・ケララの高自然放射線地域
   2.3 イラン・ラムサールの高自然放射線地域
3. 高自然放射線地域における疫学研究

   3.1 中国における疫学調査
   3.2 インドにおける疫学研究
   3.3 イラン:がん発症記録調査−資料の点検と確認−

4. 高自然放射線地域住民の染色体について
   4.1 2動原体の解析結果
   4.2 転座の解析結果
   4.3 まとめ



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