2002.10.18
若者フォーラム

 

〜エイズに関して偏見をもっていない、
エイズとともに生きる人々を差別しない〜

 red ribbon 

 皆さんはレッドリボンをご存知ですか?

 よくアカデミー賞やその他授賞式などで有名人が胸に赤いリボンを付けているのをお気づきになられたことはありますか??

 レッドリボン(赤いリボン)とは、もともとヨーロッパに古くから伝承される風習のひとつで、病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものでした。

 このレッドリボンがエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題となってきた1980年代の終わり頃でした。このころ、演劇や音楽などで活動するニューヨークのアーティストたちにもエイズが広がり、エイズに倒れて死んでいくアーティストたちが増えました。

 そうした仲間たちに対する追悼の気持ちとエイズに対する理解と支援の意志を示すためにレッドリボンをシンボルにした運動が始まりました。この運動は、その考えに共感した人々によって国境を越えた世界的な運動として発展し、UNAIDS(国連合同エイズ計画)のシンボルマークにも採用されています。レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージです。(※ 財団法人 エイズ予防団体(JFAP)のHPより)

 現在、HIV感染者は世界で5000万人を超し、死因の上位に上げられています。また、感染者の9割以上が発展途上国に集中し、若者の感染が急増。国連児童基金(UNICEF)は、1分間に世界の24歳以下の若者の6人がHIVに感染していると発表しました。米国・国際開発局(USAID)は10年後にはエイズなどの病気で発展途上国の孤児の数が4400万人に達する見通しを明らかにしています。このように、今やエイズは「特殊な病気」ではなく、誰もがかかる可能性のある「難病」なのです。

 しかしながら未だエイズに対して正しく理解している人は少なく、患者や感染者はこの難病と闘いながら世間の偏見や差別問題とも闘わなければなりません。

 第13回国際エイズ会議の開会式で、母子感染によってHIVに感染したわずか11歳のヌコシ・ジョンソン君は「出血でもしない限り、まわりのみんなは、ぼくを怖がったりしないよ。」「抱き合っても、キスしても、握手しても、全然大丈夫だとみんなに伝えたい。ぼくたちは、ほかの人たちと同じ。同じ人間だということを言いたいんです。」とありったけの思いを込めてみんなに呼びかけました。

 エイズは、私達の身近な問題です。

 しかしながらまだまだ解決しなくてはいけない問題が沢山あります。

 エイズによって偏見や差別から苦しめられている人々が沢山いることを忘れずに、正しい知識を身につけていくことを呼びかけていきたいと思いました。

 

−いま、私たちにできること−

★レッドリボン運動に参加しませんか★
 赤いリボンを服や持ち物につけるレッドリボン運動は「HIV/エイズへの理解」の印として世界的に広がっています。声高に理解を口にしたり、呼びかけるのではなく、無言のメッセージを送ってみませんか。あなたの赤いリボンが感染している人の目に留まれば、どれだけその人が励まされることでしょう。

★メモリアルキルトって、知ってる?★
 エイズで亡くなった人々一人ひとりの名前やメッセージ、思い出を家族や友人たちの手で布に記録したものをメモリアルキルトといいます。キルトを見た多くの人が、HIV感染者数○○人、エイズ患者数○○人といった統計数字からは見えない多くの人の思いを感じ取ることができ、様々なイベントで展示が行われています。

★100%安全なあなたの血液を献血してください★
 たとえHIVに感染した人が献血したとしても、感染してから3ヶ月以上経過していれば抗体検査で確実に把握されるので輸血には使われません。しかし、感染してから6〜8週以内の時期は、HIVは入っているのに抗体が検出できない空白期間にあたります。HIVを直接調べる高価なPCR法を取り入れても、感染後4週以内の空白期間は解消されません。「感染の心配が全くない」と断言できる人が積極的に献血して下されば、輸血はもっと安全になります。あなたも献血してみませんか?

★仲間と語り合おう、HIV/エイズのこと★
 大人たちは若い人が性行為のことを聞くと「まだ早い」としか言えず、自分たちの生きた時代とのギャップに戸惑っています。同世代の仲間同士でHIV/エイズのこと、性行為のことを真剣に語り合い、正しい知識をつけていきましょう。

 

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