2002.09.06
若者フォーラム

 

「Protect Yourself!」
  −若者の間で広がっている病気、エイズ−


 “エイズってどんな病気か知ってる?”との問に一体何人の若者が明確に答えることが出来るのであろう・・・。

 8月の朝日新聞に掲載された記事を見て驚きました。それは「厚生労働省によると、2001年に新たに報告のあった国内のHIV感染者は621人。前年より34%増え、過去最高だった。うち日本人の感染者は525人。10代〜20代が約4割を占め、その割合は急増した」とのこと。自己管理が未熟な若者の間で広がりつつある病気、エイズの恐ろしさを改めて感じました。そこでエイズとはどの様な病気なのか、色々調べてみました。

〜HIV感染とエイズ発症〜
 エイズ(後天性免疫不全症候群)とはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)によって免疫力が弱められ、色々な合併症が現れてきた状態のことをいいます。つまり、HIVに感染したからといってすぐにエイズになるわけではなく、また感染した全ての人がエイズになるわけでもないのです。

次にHIVの感染経路を確率が最も高い順に記してみました。

1. 血液および血液製剤の輸血による感染(90%以上)
 国内では輸血用の血液や血液製剤などには、加熱処理されたものや遺伝子組み替え型製剤などが治療に使われています。
 献血に使用される血液は抗体検査や遺伝子検査を行い、陽性(感染している)と反応した物は、焼却処分にしています。しかし、HIV感染はHIVに感染してから6〜8週間かからないと検査で確認できないので、検査可能期間前に献血された血液はHIVに感染しているにも関わらず検査を通ってしまう場合もあります。現在、安全体制がとられている中、輸血による感染は少ないのですが、今でも実際に起こっている事なのです。

2. 母子感染(30%)
 出産時に母親の産道を通るときにHIVの血液に子供が接触してしまったり、免疫力の弱い赤ちゃんがHIVを含んだ母乳を大量に摂取した場合も感染する可能性が生まれます。

3. コンドームを使わない性交渉による感染(0.1%〜1.0%)
 性交渉による感染は、100回から1,000回に1回といわれるほど確率は低いものです。しかし現在では最もポピュラーな感染経路であり、世界的にも異性間の性交渉による感染が主流となっています。
 アメリカの7月26日発行の米国医師会雑誌によると、インターネットを通じて知り合った場合は、性感染の病気にかかる危険が高いという結果が出ていました。性感染の病気にかかると、一般の元気な人よりもHIVに感染しやすいとの情報も出ています。
 社会現象のように「出会い系サイト」が流行る中、「誰とでも、気軽に・・・」という軽い気持ちで性交渉を行う人が多くなってきていることも事実です。また、性交渉を初体験する年齢が年々若くなってきています。コンドームの必要性に無知な若者が「まっ、いいか。」という安易な気持ちで無防備な性交渉を行うため、感染率は低くても実際に感染する若者が増えつつあるのはこのような理由からなのでしょうか。とても深刻な問題のように感じます。

4. 注射針の共用による感染(0.5%〜1%)
 近頃若者の間で注射器による麻薬の回し打ちが増えてきています。感染している人の血液が注射針や注射器に残っていた場合、それを直接静脈内に注入すると感染する確率が高くなります。

 上記に記したことは何れも「可能性」であり、必ず感染するわけではありません。しかし、年々増え続けるエイズについて、若者だけに限らず、エイズに対する知識をどのように広げていけばいいか考えていく必要性があるように思いました。その中で皆様の意見や疑問に思った事をメールなどにより知らせて頂ければうれしく思います。私達も出来る限りの範囲でお答え出来るよう頑張りますのでよろしくお願い致します。

財団法人 体質研究会
武田、西野

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