2000.6.1
 

超温熱療法の提案
2000年6月

菅 原 努

 このホームページで最も多くアクセスがあるのはハイパーサーミアのページです。それはアクセスの調査でも出てきますが、毎週少なくとも2、3の問い合わせがあることでも分かります。その問い合わせは殆どが患者の家族か知人からのものです。患者さんが病院でハイパーサーミアについて聞くことが少なく、がんのことについて家族がホームページで探していて見つけたというのが多いようです。私はこれはハイパーサーミアが未だがん治療医に十分に知られていないからではないかと心配します。

 何故こんなことになっているのでしょうか。私はこれを我が国の医師が欧米一辺倒で欧米で広く行われていない治療は有効ではないと決めつけているのではないかと心配します。でもこの4月に世界的な医学雑誌であるランセットLancetにオランダでの無作為臨床試験の結果子宮頸がんに対して放射線単独より温熱併用のほうが効果が高いという論文が発表されたので、少しは様子が変わるのではないかと期待しています。

 今でもそうは言いながら、我が国では欧米に比較して遙かに活発にハイパーサーミアが行われています。この差は何によるのでしょうか。私はそれが治療法に対する基本的な姿勢の差にあるのだろうと考えています。欧米の人にはハイパーサーミアは単に腫瘍を加温すればよい物理療法の一つにすぎません。しかし私はそうは思わないのです。本来治療というものはそんなものではないのではないでしょうか。

 そこで少し古くなりますが、わたしが1996年に書いた「サーモトロンによる超温熱療法のすすめ」という文章を以下に紹介し皆様に考えて頂きたいと思った次第です。

サーモトロンによる超温熱療法のすすめ