1999.12.14

 
   
  10.放射線で人が死ぬということはどういうことか:
   骨髄死と腸死
 

 

 実はこの題で話を進める積もりでいたところへ、9月30日に東海村のJCOで臨界事故が起こりました。そこでは実際に3人の方が死ぬほどの放射線を浴びられたのです。ところが、一ヶ月後の10月30日の毎日新聞に「医学教科書 通用せず」JCO臨界事故発生1ケ月と書かれた通り、私が教科書的に書こうとしていたことが、当てはまらないことが段々とはっきりしてきたのです。この原稿を書いている12月11日でも、未だどうなるか分かりません。

 私がネズミを使って大量全身照射の実験を盛んにやっていた30年前とは事態が全く違うようです。もう一度元から勉強のしなおしが必要です。今の段階で昔の教科書のことを書くとかえって混乱をまねく恐れがあります。そこでこの項は少し後にゆづることにして、次回から突然変異やがんの問題に話を移したいと思います。

 簡単に昔の教科書のことを言うと、ネズミに10〜100GyX線を照射すると4、5日で腸障害で100%死亡し、それより少ない数Gyでは骨髄障害で死亡するがその割合は線量が高いほど多くなる、と言うものです。何故こんな死に方をするかが大きな問題で、それを欧米の学者と競い合ったものです。人の場合も基本的には同じで、ただ線量や死亡までの日数が違うと考えていました。これで私が上に言った意味がお分かりでしょう。


[関連ページ]
放射線を受けるとどんなことが起こるか?
東海村ウラン工場臨界事故の教訓

JCO臨界事故での放射線量をめぐって

 

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