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ここで取り上げるミネラルや微量元素は、カルシュウム(ビタミンDとも関連させて)、セレン、ヨード、と鉄とです。その他のミネラルや微量元素についても一部に報告がありますが、がんリスクとの関連が明確ではありません。カルシウムと鉄の摂取は食べ物の質によるところが大きいのですが、セレンやヨードの摂取はむしろその食物が何処で取れたかによります。勿論ヨードの不足している地域では食塩にヨードを添加するなどのことが行われています。これらは我が国ではどれもがんとの関連で問題になるようなものはありません。
結論は例によって表に示しますが、ヨード不足は多分甲状腺がんのリスクを増すであろうと言うことと、セレンは肺がんのリスクを下げる可能性があると言うことです。ただしこれらは他の食餌因子に影響されることを考慮しなければなりません。
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証拠
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がんリスクを減らす
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関係なし
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がんリスクを増す
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| 確信出来る |
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| 可成りの |
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ヨード不足(甲状腺がん) |
| 可能性あり |
セレン(肺がん) |
カルシュウム(大腸直腸がん)、セレン(大腸直腸がん) |
ヨード過剰(甲状腺がん) |
| 不十分 |
ビタミンD(大腸直腸がん)、セレン(胃がん、肝がん、甲状腺がん) |
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鉄(肝がん、大腸直腸がん) |
| 註1: |
カルシュウムはいろんな食物に含まれているが、特に多いのは乳製品、小魚(骨を食べる)、ほうれん草などの野菜、小麦などの穀類である。骨の代謝に必要なのは勿論であるが、神経や筋肉の代謝に必要である。カルシュウムの代謝にはビタミンDが必要である。大腸直腸がんとの関連について、8のコホート研究と15の症例対照研究がある。その中に相対リスクを求めたものが16あるが、そのうち1より小さいもの、即ち防護を示したものは1つだけにすぎない。全体のメタ解析でも有意な防護はみられなかった。これらから関連はないものと結論された。
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| 註2: |
セレンは穀類、肉、魚に含まれ、うち穀類が約50%を占める。しかしその含量は土地によって異なる。セレン自身には抗酸化作用はないが、抗酸化作用をする酵素の補助因子として必要である。組織のセレン濃度と肺がんとの関連については、13のコホート研究と3の症例対照研究がある。そのうちのいくつかがリスクの低下を示しており、表のような結論になった。胃がん、甲状腺がん、肝がんについてはいくつかの研究があるが、不十分なものと結論された。また大腸直腸がんについては研究の結果関連がないものと結論された。セレンががんを全体として抑えるのではないかと言う主張があるが、今のところ一般に認められていない。
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| 註3: |
ヘム鉄は動物の血にあり、非ヘム鉄は幾つかの植物に含まれる。鉄は血色素の成分として欠かせないが、それがフリーラジカルを生じさせてDNAや蛋白、脂質を傷つけることで最近注目されている。その為生体の中では一般的には蛋白に結合して存在している。その為鉄が過剰にあると大腸直腸がんや肝がんのリスクが増えるのではないかと研究されているが、今のところ証拠不十分である。 |
| 註4: |
ヨードは専ら海産物が主な食餌原である。生体の代謝に必要で、胎児の神経系の発育に必要であり、甲状腺機能に必須である。5の症例対照研究がヨード不足と甲状腺がんリスク増加を示している。またヨード不足の地域でヨード添加を行っている地域では甲状腺がんが減っているが、そうでないところではそのようなことは見られない。これらからヨードの不足は甲状腺がんのリスクを多分増すものとされている。反対にヨードの過剰摂取も甲状腺の異常をきたし、がんリスクを増す可能性が考えられる。 |
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