1999.9.1

 

  2) 含水炭素(澱粉、砂糖など)
 

 

  含水炭素は世界の殆どの国で食餌の主要成分になっていて、その割合は途上国程多く、先進国はど少ないです。即ち途上国では全カロリーの50−80%を、先進国では40−50%を占めています。がんとの関係で問題になるのは、澱粉、非澱粉性多糖類(NSP)/線維と砂糖ですがそれらは地域によって化学成分としては同じでも、生理的な性質は大変違うのが普通です。その為に同じ澱粉でも、がんの予防に効くという報告があったり、反対にがんを増やすという報告があったりします。NSP/線維というのは主に植物の細胞壁の成分で穀類、野菜、果物に含まれています。今までの報告では証拠の確信出来るとか、可成りのというものはなく、総てが可能性以下です。

証拠
がんリスクを減らす
関係なし
がんリスクを増す
確信出来る      
可成りの      
可能性あり 澱粉(大腸、直腸)、
NSP/線維(膵がん、大腸・直腸がん、乳がん)
砂糖(胃癌) 澱粉(胃癌)、
砂糖(大腸・直腸がん)
不十分 非溶解性澱粉(大腸・直腸がん)、 NSP/線維(胃がん)   砂糖(膵がん)

註1: 澱粉の多い食餌がある時には腸のがんを減らすのに、別の時には胃がんを増やすというのはどうしてか。澱粉そのものの違い、澱粉の多い食餌の時に胃がん防護に役立つ野菜や果物を摂らないことがある、澱粉の多い食餌は胃がんリスクを高める食塩を同時に多く摂ることがある、などが考えられる。
註2: NSP/線維や非溶解性澱粉は大腸で細菌によって短鎖脂肪酸に分解され、また便のかさを大きくし、腸通過時間を短縮するなど防護的に働くと考えられる。一部の疫学研究では線維の増加は腸がんのリスクを減らすことを示しているが、必ずしも結果は一致せず、また直腸ポリープの防護臨床実験でも効果はそれほどでもなかった。これらを綜合して評価は可能性ありのレベルになった。しかし、後に述べる野菜果物の効果を考えると、今後更に研究が必要であろう。
 
 
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