1999.9.1

 

  1) 摂取カロリー、運動など
 

 

 人も動物も必要なエネルギーは食物から摂っています。エネルギーバランスが取れているとして、エネルギーの摂取量は、身長、体重、運動量によって異なります。また子どもの時のそれは子どもの成長の早さ、初潮などに影響します。アジアやアフリカの多くの国ではエネルギー不足が大きな健康問題であることはご承知の通りです。しかし、先進国のみならず、途上国でも一部の都会ではエネルギーの過剰な食餌が運動不足と共に過剰な体重、肥満を引き起こし多くの慢性疾患のリスクを増加させています。動物で食餌制限をすると寿命が延び、がんも減るという研究が可成りありますが、今のところこれを人にどう当てはめるべきか、分かりません。これからの研究に関心が持たれるところです。

 この点をがんについて纏めたものが、このマトリックスです。兎に角体重を適切に維持することと適度な運動ががん予防には大切です。

証拠
がんリスクを減らす
関係なし
がんリスクを増す
確信出来る 肉体運動(大腸がん)   急な成長、成人の高い身長(乳がん)、高い体重指数(子宮内膜がん)
可成りの     高い体重指数(乳がん、腎がん)
可能性あり 肉体運動(肺がん、乳がん) 高い体重指数(膵がん、腎がん) 高カロリー食(膵がん)、成人の高い身長(大腸直腸がん)、頻回の食事(大腸直腸がん)、高い体重指数(胆嚢がん、大腸がん) 
不十分     高カロリー食(前立腺がん)、高い体重指数(甲状腺がん)

註1: 急な成長、成人の高い身長はいずれも早い初潮を意味している。
註2: 高い体重指数が関連するのは閉経後乳がんである。
註3: 高い体重指数が膵がん、腎がん関係なしの証拠が可能性ありというのは、幾つかの疫学研究でいずれも関連が無いか、殆ど無いことを示しているから。
 
 

[UP↑]
[次項目→]
2.含水炭素(澱粉、砂糖など)