2005.2.16
 

 京都健康フォーラム2004講演要旨

平成17年3月5日(土) 13:00〜17:20
京大会館210号室

テーマ:香りとこころ・香りとからだ

京都健康フォーラム2004によせて

世話人、総合討論司会: 中井吉英
(関西医科大学心療内科学講座 教授)
 



私の生活から切り離せないもののひとつ、「香り」である。
香りとともに一日の仕事が始まる。
朝、大学の私の部屋の机に向かうと、
まず、お香を焚く。
その日の気分により、伽羅か沈香か白檀かを選ぶ。
それから、バッハかモーツアルトを聴く。
音と香りのハーモニーである。

秘書が緑茶を入れてきてくれる。
お茶をいただきながら、数分間、禅の書物や詩を読む。
ときには、熊谷守一の絵や書画を眺めたりする(もちろん画集である)。
窓際には、セントポーリアの可憐な花が咲いている。
その間、15分か20分。
それから仕事が始まる。

一日、何度も来客がある。客人は「先生の部屋にくると癒されますね」
と話してくれる。話が弾み深まる。
私も癒される。

夜、一日が終ろうとするひと時、
ラベンダーの香りのなかで入浴する。
疲れが静かに消え、一日が到着する。
毎日が香りとともに円環する。

香り、味、音、書画、器、花…そして人。
それぞれの要素が関係することでトータルになれる。
茶道はこれらの要素が統合された総合芸術なのだろう。
それを科学してみたいという衝動にかられる。

今回のフォーラムは香りを仕事にしている方と
香りを科学する方、それぞれ二人づつお集まりいただき、
講演の演者とパネリストになっていただいた。
会場がきっと「知の香り」に包まれることになるだろう。

 

 
 

 

京都健康フォーラム2004講演プログラムに戻る
健康指標プロジェクトINDEXに戻る
トップページへ