2004.5.21
 

 平成16年健康指標プロジェクト講演会要旨

第50回例会記念講演会
「知のフロンティア−健康といのちの科学をめざして
(7月3日(土) 13:00〜17:00、「芝蘭会館」稲盛ホール)

知識社会と科学技術政策
−果てしないフロンティアを拓くために

井村裕夫
(元京都大学総長)
 


略 歴
1954年  京都大学医学部医学科卒業
1962年  京都大学大学院医学研究科博士課程修了
      京都大学医学部附属病院助手
1965年  京都大学医学部講師
1971年  神戸大学医学部教授
1977年  京都大学医学部教授
1989年  京都大学医学部長
1991年  京都大学総長
1997年  京都大学名誉教授
1998年  神戸市立中央市民病院長
1998年  科学技術会議議員
2001年  総合科学技術会議議員
2004年  独立行政法人科学技術振興機構顧問
2004年  財団法人先端医療振興財団理事長、稲盛財団会長
現在に至る.
      日本学士院会員、アメリカ芸術科学アカデミー名誉会員
      専門領域:内分泌学
      趣味:書道と音楽鑑賞


講演抄録

 近代工業社会は1980年頃にピークに達したが、その頃から世界に大きい変化が起こった.それは「知識革命」とも呼ぶべきもので、情報通信技術の目覚しい進歩とバイオサイエンスの勃興によって、知識が大きい価値を持つようになったためである.このような知識社会では知の創造とその確保、活用が重要であり、そのため国家は様々な施策を実施する必要に迫られている.それらは研究開発への国家の投資の増加と適切な評価による効率化、知的財産権の確保、産学連携の推進などである.わが国においては科学技術基本法に基づき、総合科学技術会議が司令塔となって、多くの施策を実施しつつある.

 知識には普遍性があり、国境にとらわれず速やかに拡散する.知識社会は、その意味でグローバル化の進む社会である.知識はまた激しく進歩する性質を有しており、知識の価値の上昇に伴う研究者増加と相俟って、激しい国際競走を招くこととなる.そのため様々な分野で目覚しい進歩が期待されるが、とくにゲノム解読の進む生命科学、ユビキタスネットワーク社会をもたらす情報通信科学、ナノテクノロジーを基盤とした材料科学の進歩が期待される.また地球環境の制約から、エネルギー科学と環境科学も重要な分野となる.

 科学には果てしないフロンティアがあり、その開拓は人類に大きい夢をもたらすことになる.しかし、あまりにも速やかな科学技術の進歩は人間社会に様々な問題を生じさせることとなり、科学と社会の関係が重要な問題となる.

 

 

 
 

 

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