2003.11.25
 

 平成15年健康指標プロジェクト講演会要旨

第45回例会
(12月20日(土) 14:00〜17:00、京大会館102号室)


彷徨える患者たち

- ハイパーサーミアにたどり着けた患者
vs.
ハイパーサーミアを知らない医者 -


近藤元治
(医療法人恒昭会 藍野病院 院長、京都府立医大名誉教授)
 


 多くのガン患者が彷徨っている。「ガン難民」という言葉があるが、正にその通りである。手術を受けた。化学療法や放射線療法も受けた。けれどもそれらの治療には限界があり、主治医の態度に〈腰が引けている〉のを察知し、新たな治療法を求めて彷徨う患者たち。

 免疫療法が良いと聞けば飛びつき、アガリクスでガンが消えたという本を読んでそれに縋る。代替医療にもピンからキリまであるのを知らず、さまざまな情報に振り回されている大勢の患者たち。ときにはいかがわしい宣伝に惑わされて多額の金銭をはたく。

 そうした中には、インターネットや口コミで知って『ハイパーサーミア(温熱療法)』を希望して来院する患者が増えている。彼らの話では、主治医にハイパーサーミアについて相談してみても、それを代替医療のひとつくらいにしか理解していない医者が多いという。

 医療者に「専門バカ」が増えている。「木を見て森を見ず」という言葉があるが、患者を全体から眺め、医療についても広い知識を持って患者に最善の医療を提供するのが、医師の本分のはず。患者に質問されてそれを知らなければ、「勉強して調べてからお答えします」という謙虚な姿勢の医師が減ってきている。

 本講演では以下の項目に分けてお話する。

  1. ハイパーサーミアと健康保険
  2. ガンの温熱化学塞栓療法―息の根を止めて焼き尽くせ
  3. Tumor dormancyのこと
  4. もう一度、健康保険
  5. ハイパーサーミアの今後

 

 
 

 

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