2000.12.4
 

 平成12年健康指標プロジェクト講演会要旨

第18回 (12月16日、14時〜17時、京大会館102)
人間は何歳まで生きる
万井正人
(イメリタスクラブ、京大名誉教授)
 

   
 不老長寿は古来より人類永遠の夢であったが、長寿化の傾向は一部の地域を除けば着実に進んでいて、現代人の常識では「達者で長生き」という当面 の目標はすでに射程距離内に入っていると思われる。

 平均寿命だけでなく、寿命中位数、健康寿命などの新しい視点から眺めても、日本は世界をリードする立場にある。その理由は、耐用年数ともいうべき人間の寿命を決定する大きな要因として総合的な生活環境をあげられると思うが、現在の日本はすでに世界に誇れる超一流国と目され、自虐的な評価はまったく当たらないと考えられる。およそ先頭に立って新分野を開拓することは、先進国に追随していた頃より遙かに難しいことを自覚するとき、高齢化時代を迎えるわれわれの責任はきわめて重い。

 長期的に見て人間は何歳まで生きられるのか。これは地球以外にも生物が存在するかの命題と同様に、軽々に論じられるような簡単な問題ではない。しかし、いくら人々を寄せ付けない険しい山であっても、多くの角度からの眺望を重ね合わせれば、実用的な登山マップを作ることも不可能ではあるまい。

 そこで今回、体力の加齢現象について検討してきた演者のデータをもとにして、寿命限界に関する一つの作業仮説を提起したいと思う。

 

 
 

 


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