第76回「いのちの科学」例会 (終了)

(原則として非公開:連絡を頂ければオブザーバで参加できます)

日 時:2022年10月1日(日)14:00〜

場 所:生産開発科学研究所 3階会議室

14:00〜15:00  委員会
15:00〜17過ぎ  話題提供

話題提供者:内藤裕二 京都府立医科大学教授

演題:One Health:人と地球の健康を考える 

要旨:日本人が長寿になった理由は、もともと健康な食品を摂取していたわけでも、日本に健康的な食事が伝統的に存在していたわけでもない。現在の日本人の健康的な食事はもともとあったのではなく、栄養学を基本にした栄養・食生活改善の成果として手に入れたものと考えられる。食品に含まれる栄養素は、「糖質」、「タンパク質」、「脂質」、「ビタミン」、「ミネラル」の5つに分類され、食事バランスガイドも作製されている。では日本人は幸福か?平均寿命は直線的に延び、2021の平均寿命は女性87.57歳(世界1位)、男性81.47歳(世界3位)となっている。しかしながら、平均寿命と健康寿命の間には、女性で12年、男性で9年の不健康な時期があり、過去20年間ほとんど短縮していない。世界幸福度ランキングによると日本の順位は2021年で56位と報告され、日本は決して幸福な国ではない。今こそ人生100年時代を目指した健康栄養学、特に環境要因も含めた食品科学を追求すべきである。One Healthといった考えも生まれてきて、人と地球の健康を考える時代になりつつある。持続可能な健康な食に対する期待もある。本講演は周辺情報も含めて紹介し、皆さんのご批判、ご意見をいただきたい。

略歴:内 藤 裕 二(ないとうゆうじ)

1958年1月18日生

1983年3 月 31日 京都府立医科大学卒業

1983年5 月 15日 京都府立医科大学附属病院研修医,第一内科勤務

1998年4 月1 日 京都府立医科大学助手,第一内科学教室勤務

2000年4 月1 日 京都府立医科大学助手,京都府知事公室職員課参事

2001年7月1 日 米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授

(兼任)

2005年 6月1 日 京都府立医科大学生体機能分析医学講座 助教授

2008年4月1日 京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 准教授

2015年4月1日 京都府立医科大学附属病院内視鏡・超音波診療部部長

2021年4月1日〜 京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学講座 教授

 

学会の役員 日本酸化ストレス学会理事長(2020〜)

国際フリーラジカル学会アジア支部 President(2020〜)

日本消化器病学会財団評議員(2019〜)

日本消化器内視鏡学会財団評議員、近畿支部長(2018〜)

日本消化管学会代議員,総務委員会委員

日本消化器免疫学会理事

日本抗加齢医学会理事

日本高齢消化器病学会理事

日本微小循環学会理事

日本小腸学会理事

日本潰瘍学会理事、理事長(2022〜)

日本機能性食品医用学会理事

日本食物繊維学会理事(2021〜)

著書:酸化ストレスの医学 編集 診断と治療社 東京 2014年 

消化管(おなか)は泣いています ダイヤモンド社 東京 2016年

   人生を変える賢い腸のつくり方 ダイヤモンド社 東京 2016年

   胃がんの原因はピロリ菌です 大垣書店 京都 2016年

   脳腸相関 各種メディエーター、腸内フローラから食品の機能性まで 医歯薬出版

東京 2018年

   早期胃癌が見える!見落とさない!胃内視鏡検査・診断に自身がつく本 金芳堂 

京都 2018年

   いつも同じ便秘薬を処方するあなたへ エキスパートが贈る便秘薬との向き合

    い方 金芳堂 京都 2019年

   腸内微生物叢最前線 編集 診断と治療社 東京 2021年

   すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢〜基本知識から疾患研究、治療まで 

    羊土社 東京 2021年

   酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる あさ出版 東京 2022年

腸すごい!医学部教授が教える最高の強化法大全.文響社 東京 2022年

公的機関に対する協力状況:

独立行政法人科学技術振興機構科学技術振興調整費研究領域主幹(プログラムオフィサー) (2005-2018)

農林水産省 農林水産技術会議平成28年度委託プロジェクト研究「地域の農林水産物・食品の機能性発掘のための研究開発」審査委員(2016−2020)

農林水産省「知」の集積による産学連携推進事業「腸内環境・腸内微生物叢を標的にした高機能農林水産物開発フ?ラットフォーム」コーディネーター(2016?2020)

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「医と食」事業に関するプログラム・オフィサー(PO)(2016-2018)

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 難治性疾患実用化研究事業評価委員(2019〜 )

農林水産省農林水産技術会議委員(2021〜 )

2025大阪・関西万博大阪パビリオンアドバイザー(2021〜 )

賞罰

昭和62年 第3回京都府医師会勤務医部会総会学術奨励賞

「内視鏡的マイクロ波凝固法の基礎と胃腫瘍に対する臨床応用」

平成4年  国際フリーラジカル学会Young Investigator Award

平成15年 第10回胃の炎症を考える会記念大会 奨励賞

平成15年 日本過酸化脂質・フリーラジカル学会学会賞

「炎症性腸疾患とヘムオキシゲナーゼ-1」

平成24年 内閣総理大臣表彰第4回ものづくり日本大賞優秀賞「予防医療での用途開発が進む抗酸化物質アスタキサンチンの高度な製造技術開発と製品化」(西田光徳、内藤裕二他8名での共同受賞)

平成28年 日本酸化ストレス学会学会賞

研究助成(代表)

1.日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(C) 平成22−23年度 メチルグリオキザール修飾Hsp27蛋白質の同定と大腸癌における意義解明 助成金額312万円

2.日本学術振興会 科学研究費補助金基盤研究(C) 平成25−27年度 Hsp27とSPARC蛋白質の同定・機能解析と大腸癌における意義解明 助成金額370万円

3.日本学術振興会 科学研究費補助金基盤研究(B) 平成28−30年度 高速高精度な選択反応モニタリング定量的質量分析法による大腸癌先制医療の確立 助成金額1,690万円

4.農林水産省 「知」の集積と活用の場による革新的技術創造事業 平成28−32年度 機能性野菜を用いた腸内フローラ解析による生体恒常性維持効果の実証研究 助成金額27,000万円(総額)

5.AMED・革新的がん医療実用化研究事業 2019年度〜2021年度 血清ペプチドバイオマーカーを用いた大腸がん早期発見の大規模前向き検証 助成金額10,660万円(総額) 

学術集会の開催

第21回日本抗加齢医学総会 2021年6月25〜27日 国立京都国際会館

第58回日本消化器免疫学会総会 2021年7月2〜3日 京都ホテルオークラ

第24回日本高齢消化器病学会 2022年7月15日〜16日 からすま京都ホテル

第20回日本機能性食品医用学会総会 2022年12月3〜4日 ホテルルビノ京都堀川

出席者:武藤倫弘、小西淳二、山岸秀夫、小野公二、奈倉道隆、小川 侃、本庄 巌、村田翼夫、宮越順二、玉木永良、内海博司、小林宣之

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