第67回「いのちの科学」例会 (終了)

(原則として非公開:連絡を頂ければオブザーバで参加できます)

日 時:2019年3月30日(土)14:00〜

場 所:(公財)体質研究会 会議室

14:00〜15:00  委員会
15:00〜17過ぎ  話題提供

話題提供者: 佐藤雅彦京都府立大学准教授

植物の形づくりの謎を解く

要旨:植物細胞の多様な形態は,細胞壁の構造と細胞膜直下の表層微小管と呼ばれる細胞骨格構造によって形成されることが知られている。多様な植物細胞の中でも根毛は,表皮細胞の一部が管状に外側に伸びた特徴的な形態を持った細胞で,根毛には,根の表面積を大きくすることで,土壌中の水や養分を吸収する役割がある。根毛は,先端部分が特異的に伸長する先端成長という成長様式で伸びることが知られており,この根毛先端が伸びる仕組みについては,数多くの研究があった。しかしながら,土壌中で根毛の細長い構造を作るためには,先端部分が伸びると同時に,側面部分を速やかに硬くしないと,細長い管状の構造を作ることはできないが,根毛側面の伸長抑制・硬化メカニズムの分子機構は全く明らかになってはいなかった。本講演では,根毛形成におけるホスファチジルイノシトール3,5-二リン酸[PI(3,5)P2]の役割とその発見に至った経緯と将来展望についてお話したいと考えている。さらに,昆虫が,植物の組織を改変し,自らのすみかと餌として利用するメカニズムについての最新の知見もお話する予定である。

    出席者:佐藤講師、小西淳二、山岸、本庄、今西、鈴木、中井、小川、内海

    客 員:小林

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